Access97会員管理システムをAccess2010へ
ご相談のシステムはAccess97が最新バージョンの頃、外部の個人開発者に依頼し作成されたものでした。その後、引き継ぎで3人が開発関与したシステムでした。内容は会員情報管理、会費入金管理・自動引落管理が主目的のアクセスシステムです。
それまで運用上、いろいろ問題はありながらも、なんとかそれらを回避しながら何年も使ってこられたようです。しかし、今回Windows98を含む古くなったXPパソコンをWindows7パソコンへ総入れ替えの計画があり、大きな問題に直面しました。
- すでに元のAccess開発者と連絡がとれなくなっている。
- Access97のCD-ROMが見当たらない。
- Access97ではWindows7では正常動作しない、そもそもインストールできない?(2000でもおかしな挙動があります。)
- ご担当者がテストでAccess2010の機能でコンバートを行ったらエラーでストップしてしまう。
- ラベル印刷を、別のWindows98パソコンへデータを流し、そこから市販DBソフトの「桐」で印刷しているため、この98マシンも廃棄できず。
この会員管理システムは業務の基幹システムで既に重要な情報が満載のため、使えなければパソコンの入れ替えが全くできない。そしてパソコンが壊れたら業務上大変深刻なことになります。
もしこのシステムを新しく構築依頼すると、かなりの費用と、本稼働までにさらに時間がかかってしまいます。
そこで、こちらのご相談者は会計・税関係の会員組織のため、弊社が、税理士会、会計事務所と多くの取引があり、Access開発実績豊富ということでご信頼しご相談いただきました。
- Access2010で動作するようにして、古いパソコンを廃棄して新しいパソコンに入れ替えたい。
- 開発した本人でしかわからなくなってしまった動作、操作手順があるので、それらの解析と運用サポートをしてほしい。
- 入金、未納、請求金額管理、銀行引落依頼データ生成、相談履歴など操作性改善および機能追加拡張、強化したい。
- 末永く運用サポートしてほしい。
などでご相談いただきました。
実際システムを見せていただくと、元の開発が汎用機開発経験の方か、リレーショナルデータベースとしては、かなり冗長的な造りでした。さらに別々の開発後任者がいるので仕方ないのですが、プログラムの作り方もまちまちで、マクロが多用されている箇所も多々ありました。そしてマクロをはじめ、クエリーなどもユーザーご担当者本人が作成したもの、そして既に使っていないと思われるものなど混沌としていました。
システム運用ご担当者はある程度Accessがわかる方なのですが、どれがどの情報なのか理解するのはかなり難しかったことでしょう。
またAccess97がかなり古いバージョンなので、Access2010での直接コンバートはエラーが出てストップしてしまいます。そこで97の2つ上のバージョンAccess2003にて一連にコンバート処理してから少なくともAccess2003上でエラーが出なくなるまでAccess2003でエラーを修正してゆきました。
そしてAccess2010で動作するようになってから、再度エラー確認と修正作業を行いました。特にAccessのセキュリティ強化に起因するエラーがまだ発生します。例えば、銀行への引落依頼依頼データ生成で外部にデータを出力する箇所などです。それらのプログラムを書き換えてゆきます。
全体的に正常動作確認後、別途追加要望である、会員との接触相談履歴、入金情報管理の充実などを主として、いくつか機能を付加しました。
これで無事、新しいパソコンに乗せ替えることができ、これまで要望していた機能の追加にて顧客対応スピードアップ、業務効率アップを実現し、操作運用上の不明な点など弊社でサポートすることにより無事継続稼働していただいています。
請負費用も、当初、別業者からの新規構築の提案もある中、かなり低減できたのではないかと思います。
2012年12月5日 |
自社開発Accessシステムメンテンスサポート&LANサポート
こちらは、既に退職された何人ものスタッフが何代にもわたり追加・改築されてきたシステムでした。
ご相談のきっかけは、とにかく動作が遅い、午前中は仕事にならない。Accessシステム自体が561MBもある、さらに時々システムが破損する、見てほしいとのご相談でした。
午前中に調子が悪い、というのが引っかかりましたが、まずはご相談のAccessシステムを見てみますと、データ数のわりに容量が大きすぎる。内部を見て見ると、案の定、写真画像を埋め込んでいるフォームがありました。
Accessでは、内部に写真画像を埋め込む形にすると、そのサイズがやたら巨大になってしまいます。巨大になってしまうと、動作の速度低下もそうですが、壊れやすくなってしまいます。
またこのシステムはデータファイル(テーブル)と、操作側ファイルが一体化した仕様でしたので、なおさら壊れる危険性の高いものでした。
・データファイル(テーブルのみ)と、操作側のファイルを分離。
・バックアップ機能追加。
以上をご提案し、行うことになりました。
その他にも複数ユーザーで共有利用する上で、気になる点がいくつかありましたが、既存のシステムでもなんとか長年使ってこれてはいるので、マルチユーザー利用での仕様変更のご提案はしたけれども、今回は様子見ということになりました。
メンテンス作業結果、561MBのファイルが16MB、つまり3%程度の小ささになり、当然、動作も軽快なものとなりました。その分、当然、破損度はグッと改善されます。バックアップもワンボタンでできるようになり、万が一の備えも簡単にできるようになりました。
さて、これで一件落着と言いたいところですが、確かにAccessシステムは速くはなったけど、やはり午前だけ遅い、というのが解決しませんでした。遅いというのは、社内全部のパソコンが何を操作するのにも異様な遅さというのです。
状況をヒアリングしていくと、これはネットワークのどこかに原因があるようです。
同じような現象で調べてゆくと、マイクロソフトのアップデイトの不具合が合致しそうです。マイクロソフト技術情報 Microsoft Updateの不具合>> この情報提供し対処してもらいましたが、やはり解決せず。
そこで成功報酬(解決しなければ報酬請求なし)で、今度はネットワーク調査で訪問させていただきました。
各パソコン、ルーター、LANなど異常なし。
やはりNAS(ネットワークに接続して使えるHDDハードディスク)が怪しい。聞いてみると5年利用とのこと。見た目は、共有フォルダも普通に開き使えるし異常はないのだが、試しにそのNASの共有フォルダに置いているAccessシステムのデータファイルを、別のパソコンの共有フォルダに置いて接続してみると、調子の悪い時間でも明らかに問題のない速度で動く、つまり完全にNASが原因ということに絞られ、再起動させてみると、鈍重な動作の各パソコンが全ての操作において軽快になりました。
そういえば、弊社の他のAccessのクライアント様でも、Accessシステムが不調になったとのことで、ファイルを送っていただき調査してもこちらの環境では何の問題もなく、結局、クライアント様側のNASを再起動したら解決したという事例がありました。
このようなNASのトラブルは、この事例のように見た目は共有ファイルを普通に使え、また通常スイッチをOFFにすることなく長期間継続稼動させているため、なかなか気づきにくいものですが、単純に再起動すれば直ってしまうという事例も少なくありません。
ただ、翌日もこの動作速度の問題が発生したため、夜0時に自動実行されるバックアップ時の不具合が根本原因ということになり、既に5年使われているNASであるので、結局、新規NASに入れ替えということになりました。
新規NAS、バックアップHD、無停電装置(不意・計画停電に備える)などの機種選択から購買代行、NASのミラーリング、自動バックアップなどのセットアップをお手伝いさせていただきました。
ご相談前は、Accessシステムが重い、壊れる、またAccessに限らず、パソコン全てで、午前中はあまりに動作が遅く、ほとんど仕事にならない。といった状況から、全てが軽快になり、新規NAS一式入れ替えにより、データの保安性も高めていただきました。
2011年6月2日 |
ユーザーAccessシステム構築支援サポート
弊社では、すべてを弊社で構築する請負開発だけでなく、ご相談者様で構築されたAccessのサポートも行ってきました。
まずは上場企業様の例です。こちらは、全国に営業所があり、VPNで張られたネットワークにて、各営業所が3拠点(関東・関西・九州)にわけられた自社内で作られたAccess顧客管理システムを排他モード(一人しか使えないように立ち上げる)にてご利用されていました。排他モードでスタンドアロン(一台利用)利用ですので、トラブルや少なくとも各拠点内ではデータの不整合もなく利用されていたようです。しかし活用度が高くなるにつれ、上記の3拠点での統合が必要になってくるのは必然的なことです。そこで担当者が統合を試みようとしましたが、既に関東と関西では、システムの内容がそれぞれいくらか修正され違ったものになっているだけでなく、地域を跨って同じ顧客があったり、顧客個別IDに重複があったりしていて、限界を感じ弊社にご相談となりました。
特にシステムの軸となる個別のIDナンバーは、他拠点では同じ顧客なのに違っていたり、違う顧客なのに同じIDで重複していたりするやっかいな状態でしたが、ご担当者としっかり相談の上、それらの不整合を調整したIDの振り直し、その他、各顧客に付随する各情報も振りなおしたIDでセットしなおし、さらに重複・不整合はないかなどを検証し、あればどのように処理するかなどを打ち合わせながら、まずはAccessにて統合ロジックを構築しました。その後、日程を決め統合作業を行いました。利用中のシステムのため作業は徐々にということはできず、統合作業中は一切システムを利用できないので、統合日程を決めて一気に短時間で行う必要がありました。
このように大きな会社での、遠隔地の本支店間情報共有はWebシステムで行うのが理想的なのでしょうが、ユーザー担当者の発案がもとで小さい段階から活用度が高まっていったシステムは往々にして、このような障壁が立ちはだかります。
次に、健康食品販売の会社のケースです。こちらも、やはり担当者が商品管理のシステムをAccessで作られていました。商品検索から個別商品の情報を表示し、それを見て手書きで発注書などを作成していたようです。いわゆる商品管理データベースでした。
担当者には現場からはさらなる拡張のプレッシャーが強くなりながら、それ以上の拡張が不可能なため弊社にご相談に来られました。その後のお話ですが、結局、この担当者はご事情で退社され、次の担当者に引き継いだのですが、その間で弊社がサポートさせていただいていましたので、少なくとも、どこがどうなっているといったような混乱はなくて済んだと思います。
サポート内容としては、手書きで作成していた発注伝票をそのAccess商品管理システム内に作成し、既存の商品データより、入力間違いを防ぎさらには入力が楽になるような仕様で構築し、発注伝票を印刷出力、それらの登録データを仕入れ帳としてリスト出力を作成しました。 このリストでは仕入先集計レポート、仕入集計レポート、日付範囲抽出、納品確認チェックなどができるようにしています。
このシステムは、遠隔の店舗数箇所で別々に利用されており、統合の要望はなかったのですが、商品データだけは全店舗統一したい、というご要望がありました。そこで本社で新規入力した商品データを、画面で選択、Excelにて出力し、各店舗にメールで送り、それをワンタッチで取り込む機能を作成し統合できるようにしました。もちろん、このシステムもWebシステムの形で共有すれば、さらに手間が要らなくなるのですが、やはり予算が最大事情にて、この形で実現させていただきました。以前は、担当者が、各店舗のAccessファイルを預かり新データを反映し、それをまたUSBなどで送り返していたりと、情報タイムラグと管理の手間を低予算で改善できました。
また元々このシステムでは商品の写真をAccessシステムに直接貼りこんでおり、そうするとAccessは必要以上に肥大化してしまうため、一つの店舗のシステムファイルは1G以上あったため、各店舗への配布はメールでなくUSBでやりとりしていました。この不必要な肥大化は当然、破損しやすくもなりますので、その仕様を指摘し、写真はそれほど必要ないとのことで外したところ、なんと1ファイル1メガ以下になってしまいました。最初の経緯がありましたので、今では相当軽快に活用されています。
このように、ユーザーがまず作られたシステムで限界になった部分、今回の伝票入力インターフェース、印刷出力、あと特に複数条件による条件検索機能などの部分構築サポートなども割りと多いご相談です。
2011年1月28日 |
カテゴリー:Accessシステムサポート事例