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★Accessシステムで自社開発の注意点


 このところ中小企業でもIT、パソコンスキルがどんどん上がってきているのを実感します。

 以前はExcelくらいまでは活用していたけど、データベースまではそれが何であるかさえ理解されないことが多かったものでした。

 ところが最近はExcelでの限界と、Accessというソフト自体がどんなソフトで、何ができるかが理解されるようになり、Accessを使い、自社でシステムを構築しようとするところが多くなってきました。

 それにともない弊社にはこんな相談も増えるようになりました。

1.会社の基幹システムとして販売仕入管理システムを、Accessで、ある社員が一人で構築したのだけれど、その社員が突然辞めると言い出した。彼がいないと他に誰もそのシステムをわかるものがいない・・・

2.学生にアルバイトで、自社のAccessシステムを安く構築してもらったが、その後、その学生が就職してしまい、不具合やトラブル、機能変更、追加などのメインテナンスで頼るところが無くなってしまった。

3.自社開発し、活用度、重要度が増し、スタンドアロンからネットワークでの活用を始めたが、頻繁にエラーがでたりデータが壊れるためSQL−Serverへの移行を検討したい。

 1.については、自社の業務をよく知る社員が作っただけあり、機能的には幅広い業務に連携するシステムとして出来上がっていました。それが止まってしまうことは、その会社の業務自体が滞ってしまう危険性があるものでした。

 それだけのものを構築した社員だけあってその貢献を認めてもらいたい気持ちは強かったのでしょう。実際にはどういう勤務態度だったかは知りませんが、会社としてはその社員を特別扱いはしなかったようです。どちらがどうとは言いませんが、その従業員とその会社の関係は険悪になり、退職の引継ぎもしっかりとはされなかったようです。

 その他の逆のケースでは、退職したい担当者が、引き継ぎができるまでは会社に引き止められ、転職したくてもできないといったこともあります。

 どちらにせよそのシステムの出来が良ければ良いほど、リスクが大きくなります。

 2.については、よく最近の学生はITに詳しいといわれます。しかし一般には、一部の大学、専門学校で情報専門学科でしっかりやってきた学生でない限りは、企業のシステムあるいはサイトを任せられるほどのスキル、あるいは社会的知識はありません。しっかり指示できる人間がいなければ無駄に複雑なシステムが出来上がるケースが多いようです。

 この事例でのAccessシステムを見てみると、なぜこんな複雑にしているんだろうというようなものでした。そして問題なのが、その学生が就職してしまったときのことです。もう別の会社の人間なのですから頼るわけにはいきません。そこでそのシステム、あるいはホームページであればサイトの更新はストップしてしまいます。依頼するならその学生を採用するくらいでないと難しいでしょう。

 3.については、業務を知りつくした自社での開発は、システムの目的を達成した統合的システムを実現されているケースが多いようです。しかしデータベース開発の専門の知識、経験がない人が、本を片手に構築してきたものは、データベースの正規化、整合性がとれておらず、ネットワーク使用で適切な排他処理、トランザクション処理までは施されていないため非常に不安定となるケースが多いようです。それらの改良をはかり再構築をすることもできますが、全面的に見直さなければならないケースもけっこうあり、結局費用がかかるものです。

 これらの事例は、オーバーな事例ではありません。システムやサイトはそれだけ企業の戦力として担ってきています。今後さらにその役割は重要になってきます。

 Accessなら出来そうだ・・・まずスタートすることは絶対重要ですが、その後のリスクも念頭に置かれるべきだと思います。

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