ASP・SaaSをフォローするAccess勤怠情報集計補助システム Sonyインターネットタイムレコーダー
SaaSとは、インターネット上のサーバーに、データストアだけでなくアプリケーションまで提供するスタイルです。これまでのソフトは利用するパソコンにインストールして利用していたが、SaaSではパソコンはサーバー上のシステムを利用するので、一般的にはホームページを表示できるブラウザさえあれば利用できるWebシステムの形態です。これにより、提供側はユーザーに不具合箇所および改善点した箇所を一斉に提供でき、ユーザーも高機能で進化してゆくシステムを安価に利用できるというメリットが生まれます。 今後広まってゆくSaaSの足りない部分を補うツールとしてAccess開発させていただいた事例です。
今回サポートしたSaaSは、ソニービジネスソリューション(株)が提供するITR(インターネットタイムレコーダー)で、一般に会社に置いてあるタイムレコーダーを、インターネット上に置いて、Fericaやパソコンなどで打刻し、そのデータを自動的に管理し、集計や、給与計算ソフトなどで取り込めるようなデータに加工できるようなシステムです。
SaaSのスタイルで提供することにより、本支店間連携・統合システムを、これまで考えられなかったような費用で利用できることもSaaSのメリットです。給与計算は最終の基本計算?税額・保険料算出、給与台帳、明細出力など、どんな会社でも共通した内容が多く、また制度などの変更により一斉に修正できるSaaSスタイルは、ユーザー側に手間を掛けることなく更新を反映ができることが多々あり、管理者にとっても大きなメリットとなります。
ただ、やはりデメリットというか限界もあります。最初の出勤打刻から就業までの打刻は、それそのとおり、また最終の勤怠データ集計後からの給与計算もほぼどの会社も同じようなものです。ところが、勤務実績による手当て、時給変更など、勤怠データとしての集計は、会社により本当に様々です。この様々な部分が、共通で利用するASP、SaaSシステムの弱点となります。
そこで、これらのSaaSでは、ユーザー側でカスタマイズ可能なものも出てきましたが、やはりそれでも限界があります。そこでデータをCSVで落とす機能が装備されていますので、そのデータを簡易に取り込み、希望どおりの集計を行い、Accessで出力するカスタマイズをさせていただきました。
SaaSでなくても、市販の業務ソフトなどでよく聞いた、「機能が豊富すぎてわかりにくい」、「肝心の機能が実現できない」、「業務にあっていないから使い辛い」などの声が、SaaSが普及してゆくと考えられる中でも十分考えられることでしょう。
・SaaS-ITRからダウンロードしたCSVデータを、ワンボタン、ファイル指定で
取り込みます。取り込みと同時にデータ加工処理をします。
下記のような一般の勤怠管理では無いような独自のレポートを集計加工しました。
・店舗ごとに決められている時給にて、他店舗への応援勤務における時給変更
・勤務実績による研修対象者のリストアップと、研修者時給への変換
・他店舗応援勤務レポート
・深夜0時を跨ぐ場合の勤務日修正処理
・特別集計した結果での給与計算ソフト取り込み用のCSV生成
また別途、ITRではサポートしていない、有給消化と年度新規付与プログラムも構築。
ITRデータの半年間の勤務を集計し、会社の要望、就業規則によるロジックにより、特にパート・アルバイトでは就業実績に応じた有休付与を算出、Accessでの出力とともに新年度の有休日数データをCSVで生成し、それをまたITRに反映できるように加工。
このようにSaaSでは処理できない特別な内容を、CSVデータを元に、カスタマイズしたAccessを媒介として、SaaSの手の届かない機能を補完するシステムは、これまでの市販アプリケーションソフトで見られたような不満から、Accessでフォローできることでしょう。
2011年3月7日 |
カテゴリー:Access業務管理開発サポート事例